小林誠司論

 巨人の最近の捕手事情。阿部慎之助の後は小林誠司がレギュラーを張ってきた。ところが、強肩を中心とした守備はピカイチだが、打てない捕手とレンタルを貼られた。小林誠司は本当に打たないのか。

 小林誠司がここまでで活躍したのは2016年〜2018年の3年間。奇しくも、カープが3連覇した時期である。打率は.204、.206、.219である。それに加えて得点圏打率は.219、.204、.250である。2018年がそこそこだったが、打率と得点圏打率はさほど変わらない。指名打者制がないセリーグで8番捕手が打てなかったら、9番投手が打てない投手だと自動的に2つアウトといった感じになり、投手は少し楽になる。やはり、セリーグの捕手はソコソコ打てたことに越したことはない。あるいは、1発打てるの可能性があるとか、極端にチャンスに強いとか。例えば、ツーアウト2塁で8番捕手を迎えたとする。やはり、チャンスに強かったりすると、敬遠で歩かせる。9番投手勝負となる。そして、抑えられても次の回は1番打者からの攻撃となる。もしも、打力の弱い捕手だと勝負してくる。捕手を抑えれば、次の回は9番投手から。そこを打ち取れば、1アウトで1番打者。8番捕手に単打を打たれても、外野手を前に配置しておけば、得点にならない可能性は高い。巨人の昔の捕手では大久保博元がいた。1発があるため、8番打者だと勝負を避けるだろう。これは、小林誠司が強肩のため、最初から盗塁を仕掛けないと言った理論と似ている。小林誠司がレギュラーになるためには、打力を鍛える必要がある。

 では、最近あるトレード説はどうだろうか。ロッテの正捕手の田村が離脱した時に話題になった。シーズン途中に限ってはあり得ないだろう。ここ4年間の正捕手を出すと言うことは、巨人の投手のクセや特徴を相手に知らせることになる。ましてや、ロッテは日本シリーズで当たるかもしれない相手だからである。リスクを冒してまで、シーズン中のトレードは無いと思う。

 結論から言うと、小林誠司が正捕手から落ちたのは怪我が大きいが、上記でも書いたが、小林誠司の試合に出た3年間はカープが優勝した。チーム状況や監督事情もあるが、正捕手として結果を残さなかったことに尽きるのでは無いか。残り試合も3分の1。チャンスは少ないが、インパクトを残したいだろう。というか、インパクトを残さなければならない。