振り逃げスリーラン

 菅野智之とくると、ドラフト指名拒否や完封勝利など様々なワードが出てくるが、高校時代に振り逃げスリーランで有名となっていた。

 2007年7月28日に横浜スタジアムで行われた全国高等学校野球選手権神奈川大会でのできごと。準決勝の東海大相模対横浜で起こる。4回表に3点を先制した東海大相模はなおもツーアウト1塁3塁と追加点のチャンス。打者は菅野智之。2ストライク2ボールからのワンバウンド投球をハーフスイングした。球審は一塁塁審にハーフスイングを確認した。塁審はアウトと手を上げた。球審もスリーアウトとなったので、右手を上げて3ストライク目を宣告。横浜ナインは三振で打者アウトと思い、ベンチへ向かう。

 一方、三振を取られた菅野智之はバッターボックスを出て、ベンチへ向かいそうに。すると、自陣のベンチから「走れ」と言う声を聞き、1塁方向へ走り出す。その後、3人は本塁まで到達する。

 ポイントはワンバウンドのため、振り逃げが成立する。ツーアウト1塁3塁とランナーが詰まっていなかったため成立する。打者走者の菅野智之はダートサークルを出る前に1塁へ走っている。横浜ナインは菅野にタッチするか、1塁ベースを菅野が踏む前に踏むことができなかった。以上のことから成立して3点追加となった。その後、協議があったが覆らず3点追加の6対0。ツーアウトランナーなしから再スタートとなった。試合はこの振り逃げスリーランが決め手となり、6対4で東海大相模が勝ち決勝進出を決めた。決勝では桐光学園に敗れて甲子園出場はならなかった。この時の同期に田中広輔、1学年後輩には大田泰示がいた。

 この映像はYouTubeでも見れる。やはり、冷静によく野球のルールを活用できるのかと言うのと、最後まで諦めない事が必要なのではないか。