自前で活躍した抑えの外国人投手

 かつて巨人は抑え投手が定着しなかった時期があった。クルーンを横浜から獲得して、抑えを任せたこともあった。自前で獲得して名を馳せたのはマリオ・ブリトーだろう。登録名はマリオ。当時の人気ゲームであった、スーパーマリオの愛称でも呼ばれた。在籍は1996年の1年間だった。1996年と言えば、メークドラマの年だ。この年は抑え候補の西山一宇石毛博史の不調により、シーズン途中の4月24日に巨人へ入団した。初登板は5月7日。4者連続三振を奪うなど、初セーブを挙げて、岡島秀樹のプロ初勝利をアシストした。前半戦は1勝14セーブと活躍したが、後半戦になると、落差の大きいフォークボールを見切られるなど苦戦が続き、抑えの座を川口和久に譲った。39試合3勝2敗19セーブと抑えとしては、まずまずの成績だったが、後半戦の不調により、巨人を退団することとなった。

 スーパーマリオとの愛称と千賀のお化けフォークを凌ぐ落差のあるフォークボールでファンを魅了し、記憶に残るクローザーだった。このように、シーズン途中に加入した投手が当たれば、チームに勢いがつく。