正捕手争い。

セカンドのレギュラーが混沌としているが、捕手のレギュラー争いも分からない状態だ。長らく阿部慎之助が攻守共に圧倒的な存在感を示していて、他の捕手を寄せつけなかった。それを表すかのように、2009年のドラフト2位で入団した鬼屋敷正人はほとんど起用されること無く、現在では引退してブルペン捕手をしている。  2019年は主に小林誠司炭谷銀仁朗、大城卓三が起用された。3人には三者三様の特徴がある。小林は12球団でも3本の指に入る強肩の持ち主だ。4年連続盗塁阻止率はリーグ1位で、ランナーを釘付けにもしている。打力は肝心な所で打てないイメージがある。炭谷は2006年西武で高校ドラフト1位。高卒スタメンを果たすなど、圧倒的な経験値を積み上げてきた。通算打率では小林と遜色ないが、昨年は本塁打6本と意外性な打撃を見せた。大城は打力が売りの捕手。昨年は打撃を活かすために一塁手で42試合先発した。一塁手基準では打撃は弱い。オープン戦では中島宏之が絶好調なため、一塁手での出番はなく本職の捕手での機会が多かった。元々、ドラフト2位で捕手の岸田行倫、ドラフト3位で大城を獲得。大城は外野手転向ではないかとも言われていた。岸田は高卒後に社会人と大城よりも若いが、これからの捕手だ。あまり言いたくはないが、大城の経歴から原監督が使いたくなる捕手だろう。そして、強肩ならドラフトで山瀬慎之助を獲得した。こちらも、鉄砲肩+正確な送球ぎ持ち味で、打撃が課題の捕手。ファームで鍛えられた、育成上がりの田中貴也もいる。育成選手の捕手を除き、この6人中小林、炭谷、大城が正捕手に本命視されている。小林も6月で31歳とベテランの域に達しようとしている。打撃なら大城、経験なら炭谷、肩の強さなら山瀬となったら、出番は無くなるだろう。  昨年は先発投手で捕手を使い分けたが、そろそろ正捕手を絞った方が、よりチームが安定すると思う。かつ、岸田や山瀬を育成しなければならない。今年も正捕手サバイバルが始まった。