9回裏代打の順番

 今日ほど代打の順番が肝心だと思ったことは無かった。原采配が見事だったのではないか。

 

 場面は8月13日の巨人対ヤクルトの9回裏である。3対3で迎えた。1点取ればサヨナラである。バッターは7番中島宏之。レフト前ヒットで出塁。待望のノーアウトのランナー。中島宏之に代わり代走増田大輝。サヨナラへの舞台は整いつつある。次打者は吉川尚輝。バントだろうと頭がよぎったが、打つ構え。その時、増田大輝が盗塁成功。ノーアウト二塁。バントで送れば、外野フライやスクイズなどでも点が入る最高のお膳立ての前。バント或いはセカンドゴロでも3塁へ行けるが、吉川尚輝は最悪のセカンドフライ。ランナーは進めれず、ワンアウトランナーは二塁。これでは、盗塁しなくて送りバントをした状態と同じである。次の打者は9番ピッチャーの中川皓太。待ってましたとばかりに亀井義行がスタンバイ。誰もが亀井が出てくると思った瞬間、コールされたのは、若林晃弘。オイと思った時、ファーストゴロ。ランナーは進める。ツーアウト3塁。冷静になって考えると、亀井義行が代打でも申告敬遠等で歩かされた可能性が大だ。話しは試合に戻して、1番の坂本勇人は申告敬遠。ツーアウト1塁3塁。次のバッターは途中出場の松原聖弥。ここで亀井義行の代打。ベテランの一撃に懸ける。ヤクルトはピッチャー大下に代えてマグガフ。マグガフの初球ストレート。ストレート大好き亀井義行にとっては絶好の獲物。打球はセンター前へ。サヨナラ勝ちである。

 

 あの場面、吉川尚輝が四球などでノーアウト1塁2塁、或いは増田大輝が盗塁をしなくて、ワンアウト1塁とかだと亀井義行が代打だったかもしれない。前者のノーアウト1塁2塁の場合は代打若林がバントの可能性もあったかもしれない。これは、計画通りに考えてなければできない順番であろう。素人の私どもでは、とても瞬時に代打若林の意図は読み取れない。2位とのゲーム差も広がり、中盤戦は絶好のスタートを切れた。