実はタイトルホルダー

 打撃のタイトルも様々なものがある。本塁打と打点の2冠を獲得した選手も過去にいる。しかし、盗塁王のタイトルを取る選手は意外な選手が多い。巨人での盗塁王は2011年の藤村大介が獲得している。その前は、1993年の緒方耕一まで遡る。藤村大介はレギュラーとまではいかなかったが、盗塁王を獲得した。

 熊本工では2年の夏からレギュラーになって、甲子園ベスト4を経験している。2007年の高校ドラフトで、佐藤由規の外れ1位で指名されて、巨人に入団した。これも、巡り合わせなのか、熊本工出身の緒方耕一を超えられるように頑張り盗塁王を取りたいと述べた通りに、先輩以来のタイトルだった。2008年〜2010年はファームで着々と力をつけた。2011年も開幕はファームで迎えるが、5月10日に一軍初昇格。5月13日の広島戦では初スタメンで初盗塁をマーク。5月14日の広島戦ではプロ初安打を記録した。以降は脇谷亮太に代わってレギュラーとして活躍。目標とした30盗塁には届かなかったが、28盗塁で盗塁王のタイトルを獲得。2012年は初の開幕1軍も、寺内崇幸古城茂幸と併用され、レギュラーを失う。更には、前年盗塁王が、サヨナラの場面で代走鈴木尚広を送られる事もあった。そして、この年の日本シリーズの日ハム戦。藤村大介プロ野球生活を決める出来事が起こる。第4戦2勝1敗で迎えた巨人。延長12回裏、西村健太朗のバント処理。1塁に投げるも、藤村大介が落球。その後、飯山裕志にサヨナラ2塁打を打たれてサヨナラ負け。第5戦以降は出番無し。その後のシーズンの出番は激減。2017年後のシーズン後に戦力外。そして引退した。2020年は30歳の若さで、3軍内野守備走塁コーチに就いた。

 2011年は119試合352打数78安打28盗塁。打率.222。

 通算294試合689打数156安打49盗塁。打率.226

 母校のOBでもある緒方耕一にちなんで、緒方2世とも呼ばれた。プロゴルファーの古閑美保とは、はとこの関係である。