巨人戦生観戦part3

 たまたま取ったチケットがプラチナになるとは思わなかった。2001年9月30日の巨人対横浜の東京ドームでの試合。

 試合も終盤。引退を決めた槙原寛己がコールされマウンドに上がる。右肩痛や右足首痛等の満身創痍。この年の登板はこの試合のみ。バッターは谷繁元信。5球全てストレートを投じる。「谷繁君が気を遣ってくれたんでしょう。」と槙原が述べたことにもあるように、結果は三振。82年ドラフト1位投手は現役を終えて、83年ドラフト1位の斎藤雅樹に後を託す。 

 斎藤雅樹はこの試合を最後に現役を引退して、投手コーチに就任することが決まっていた。「すごい歓声で足がガタガタ震えた」と言う本人。通算180勝投手でも緊張したのであろう。小川博文とドスターの2人を8球で連続三振。見事に役割を果たしてマウンドを降りる。2人の球を受けたのは、同じく今年で引退する村田真一

 村田真一は7回に杉本友投手からレフト前ヒットを放ち引退試合に花を添えた。2人の投手はドラフト1位だが、村田真一はドラフト5位。レギュラーを掴むのに10年要し、苦労した印象が強い。アキレス腱断裂や顔面骨折など大怪我があったイメージ。それでも20年間全うしたのはすごいと思う。

 そして、それ以上に注目を浴びたのは長嶋監督。この試合の2日前に9年間の第二次政権に終止符を打ち勇退原辰徳ヘッドコーチに後を譲ることが決まった。そのため、この日が本拠地東京ドームでの最後の勇姿となった。

 この試合は巨人4対9横浜と巨人は負けた。9回裏5点差をひっくり返して斎藤雅樹の181勝目を願ったが思いは届かなかった。尚、この試合の勝ち投手は谷口邦幸投手。高校1年の時に3年だった谷口邦幸をベンチから見ていた。谷口に勝ちがついたのも、密かに嬉しかった。