実は期待の投手

 昨年のドラフト2位の太田龍投手。高卒から社会人を経て3年後にドラフト。即ち、大卒の選手より1年早くプロ野球に飛び込んだこととなる。今年はコロナウイルスでこのような状態だが、大卒の人より1年早く入れたのは大きい。190センチと体格に恵まれて豪速球で打者をねじ伏せる右腕。

 れいめい高校時代は1年春からベンチ入りするほど期待された投手だった。3年次では山本由伸、梅野雄吾、浜地真澄らと共に、九州四天王と呼ばれていた。その3人は高校卒業後にプロ入りしたが、太田は最後の夏に痛めた肘と大柄な体格に伴う成長痛の影響もあり、プロ野球志望届を提出せずにJR東日本に進む。1年目は基礎体力作りに励み、2年目から台頭を現し、プロ野球上位指名候補として名前が挙がるようにもなった。150キロ超えのストレートに、チェンジアップ、スライダー、カーブを操る。先発投手として期待もあるが、ある程度コントロールがあれば、セットアッパーやクローザーにも面白いのではないか。いずれにしても、楽しみな逸材だ。肘を痛めたこともあり、無理をしないでプロで通用する身体を作ると共に、ドラフト2位の名に恥じぬような活躍をしてほしい。太田が1年目からある程度の成績を残すと、チームにとってはとても大きいだろう。

 れいめい高校からのプロ野球選手は2017年に引退した元日ハムの飯山裕志以来4人目となる。(旧川内実業高校含む)